アップシューズ 中高生の定番靴


1963年(昭和38)発売
当時の価格 570円~620円(廃番)


■最近は、アップシューズでネット検索すると“身長が高くなる”というヒールアップシューズがヒットしますが、今回ご紹介するのは主に1950~60年代に販売した軽スポーツ・通学用運動靴のことです。スニーカーという言葉が一般に浸透する前の時代で、スポーツの“ウォーミングアップ”のアップシューズが元となっています。カラーは、全体が白または黒の2色が基本。それぞれ白アップ、黒アップと名付けられ、中高生の日常履きとして人気がありました。



■デザインは紐タイプのシンプルなものでしたが、年々の流行が微妙に取り入れられ、多数の商品が販売されました。アッパーは綿またはビニールを使用、底はシンプルなゴム底、厚みのあるスポンジ底、型で片足分ずつ成型する型底などバリエーションがありました。東京オリンピック(1964年)前にはオリンピックモデルも発売されました。


■アップシューズシリーズ変遷(1954年〜1983年)


アップシューズ
アップシューズ(廃番)
1954(昭和29)年頃
白アップ、黒アップ初期モデル
アップシューズ
プリモ黒アップシューズ(廃番)
1958(昭和33)年頃
アップシューズ
プリモ白アップシューズ(廃番)
1958(昭和33)年頃
白アップ
硬質スポンジ白アップ(廃番)
1959(昭和34)年発売
白アップ先割
硬質スポンジ白アップ先割(廃番)
1959(昭和34)年発売
硬質スポンジ黒アップ(廃番)
1959(昭和34)年発売
ビニールアップ(廃番)
1959(昭和34)年発売
色は白と黒。ともに先割タイプもあった
白アップキングデラックス(廃番)
1960(昭和35)年発売
翌1961年にはビニール素材を使用したビニールキングデラックスを発売
スポーツアップ(廃番)
1961(昭和36)年発売
ビニロン素材。底に乳頭状の突起をつけ、防滑性に優れる
グリーンアップ(廃番)
1962(昭和37)年発売
先割アップシューズの底にグリーンのラインを付け発売。
翌年にレッドアップ、ブルーアップを追加発売した。
黒アップ先丸(廃番)
発売年不明
綿ダック生地、ゴムロール底
白アップ先割れデラックス(廃番)
発売年不明
ビニロン生地、硬質スポンジ厚底
エコールアップ(廃番)
1963(昭和38)年発売
女子学生専用。鳩目を小さく中底はピンクにするなど工夫された
白ビニールアップデラックス(廃番)
1963(昭和38)年発売
当時革靴で流行していた流れモカ、スクエアトゥのデザインを採用
メダルアップ(廃番)
1964(昭和39)年発売
スクエアトゥ、スポンジ底。オリンピックムードを演出するメダルが付いている。
白アップ
2008(平成20)年現在販売中

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発売当時の出来事
1954(昭和29)年
  • 50銭以下の小銭を廃止
  • 米国・西独を含む21ヶ国、日本に対するガット加盟国として貿易特権協定に調印
  • ビキニ水爆実験で第5福竜丸破災
  • 警視庁、都道府県警察発足(自治体警察廃止
  • 青函連絡船洞爺丸暴風のため遭難
  • 鳩山(一郎)内閣成立
1955(昭和30)年
  • ビルマとの平和条約および賠償協定調印
  • 日本のガット加盟承認
  • 日米原子力協定締結
1956(昭和31)年
  • 日ソ国交回復に関する共同宣言・通商航海に関する議定書調印
  • 日比賠償協定、4年ぶりに解決
  • エジプト、英仏間国交断絶。スエズ運河とまる
  • 日本の国連加盟
  • 石橋内閣成立
  • 第16回オリンピック(メルボルン)
1957(昭和32)年
  • 南極予備観測隊、オングル島に上陸「昭和基地」と命名
  • 岸内閣成立
  • ソ連、ICBM(大陸間弾道兵器)の実験に成功
  • 安保理事会非常任理事国に日本当選
  • ソ連、世界最初の人工衛星スプートニク第1号打上げに成功
  • 中小企業団体法成立
1958(昭和33)年
  • 日本、インドネシア平和条約、賠償協定に調印
  • 米、人工衛星エクスプローラー1号打上げに成功
  • 関門国道トンネル開通
  • フルシチョフ、ソ連首相に就任
  • 仏大統領選挙でドゴール当選
  • 国民健康保険法公布施行
1959(昭和34)年
  • 欧州共同市場(EEC)発足
  • メートル法実施
  • ソ連宇宙ロケット発射に成功
  • キューバ革命軍指揮のカストロ、キューバ首相に就任
  • 最低賃金法成立
  • 皇太子殿下、正田美智子さんとご結婚
  • 大蔵省、ドル為替の自由化を発表
  • 伊勢湾台風で死者・行方不明者5,200人
  • 国民年金制度実施