また、靴の製法はアッパーと底の接着方法によって分類されています。
靴の用途や個性によって素材やデザイン、製法が選択されます。

アッパー

upper:靴の底を除いた上の部分

アッパーは外部の気象の変化(暑さ、寒さ、雨など)や衝撃から足を保護し、歩行の際に足が踊らないよう絶えず足を密着させる役割があります。この他に足の生理条件を考慮してアッパー素材を選択する必要があります。足は多量の汗を出すため湿気を吸収する素材が望ましいです。また、疲労などで足の体積が変化するので、伸縮性のある素材や調節がきく構造で体積の変化に対応し、足に常時密着する事ができるのが望ましいでしょう。歩行に際しての柔軟性や足当たりも検討する必要があります。但し、アッパーが足に密着しすぎ、足を圧迫するようになると、血液の循環が悪くなり疲労がたまる事になります。また、靴が大きすぎると靴の中で足が踊り靴ずれなどができたり脱げやすくなるため、不自然な歩き方をするようになり、余分な負担がかかり疲労が多くなります。

底

sole:中底や本底等、足を支える土台部分

には路面のデコボコなどによる衝撃や釘やガラスなどの危害より足を保護する役割があります。底は歩行がスムーズに行えるよう屈曲性に優れ、消耗がすくなく滑りにくい素材や構造が望まれます。底が薄いものは路面のデコボコを直接的に感じやすく、場合によっては疲労を早めることになります。踵部分にヒールによる高さがある場合には、歩行の際の足を持ち上げる動作を助ける事になりますが、高すぎると体のバランスが取りにくく、足に余分に負担を掛けることになります。

各部の名称例

紳士靴(グットイヤーウェルト式)
1. ボックストゥ(Boxtoe)先芯 12. カウンター(Counter)月型芯
2. トゥキャップ(Toe-cap)飾り革 13. バンプライニング(Vamp lining)先裏
3. ソーイング・スレッド (Sewing thread)縫い糸 14. イン・ソール(Insole)中底
4. バンプ(Vamp)爪先革 15. フィラー(Filler)中物
5. リ−インフォーシング・ロウズ
(Reinforcing rows)しゃこ止め
16. アウトソール(Out sole) 本底または表底
6. レース(Lace)靴紐 17. ウェルト(Welt)
7. アイレット(Eyelet)鳩目 18. シャンク(Shank)踏まず芯
8. タン(Tongue)舌革 19. 中敷き(sock lining)
9. クォーターライニング (Quarter lining)腰裏 20. ヒールリフト(Heel lift)積上げ
10. バックステェイ(Back stay)市革 21. トップリフト(Top lift)化粧
11. クォーター(Quarter)腰革    

紳士靴(グットイヤーウェルト式)イメージ