間違った靴を選ぶと、足はもちろん、ヒザや腰の病気につながったり、内臓の働きに影響を与えることもあります。また、足の健康は体や頭脳の発育のためにも重要です。
歩いたり、走ったり、運動することで筋肉が収縮と緩和を繰り返し、血液の循環を助けるのです。子供の健やかな成長のために足のサイズをきちんと測り、下記の点に注意し愛情を持った靴選びをしてください。
同じサイズの靴でも、肉付きのよい子にはきつくて履きにくい、ヤセ気味の子にはゆるくて脱げやすい、ということが多々あります。「足長」「足幅」「足囲」をちゃんと測り、足のサイズにあった正しい靴を選んでください。
「どうせすぐ小さくなる」
「もったいない」
と、大きめのサイズを選んでいませんか。
また、いつの間にか靴が小さくなっていることに気付かずにいることがありませんか。
小さかったり、足の形に合わない靴は、足の発達を阻害します。一方、大きすぎる靴、動きにくいために子供の行動範囲を狭めてしまいます。特に幼少児は足の発育が早く、3〜4ヶ月を目安にサイズを測り、適正サイズか確認が必要です。
成長段階によって歩き方や行動範囲がかわり、必要な機能が違ってきます。その時期のあわせた靴選びを心掛けてください。
つま先の部分が広く、指が靴の中で自由に動くもの
幼児期に指を十分動かしていないと、指の腱や筋肉、ふくらはぎの筋肉が正しく発達しないままになり、転びやすい、歩くとすぐ疲れるといったことにつながってきます。
かかとのまわりがしっかりしているもの
かかとの骨をしっかり成長させるために、かかとのおさえがしっかりしているものがよいでしょう。かかとの骨がしっかり成長しないと、足の変形・O脚、X脚、へん平足などの原因になったりします。
靴底が指の付け根部分でしっかり曲がるもの
靴底があんまり硬いと前に進むためのケリだしがうまくできません。
甲の部分が足にフィットしているもの
靴の甲をしっかり締めることにより自然な歩行をさせることが大切です。
骨の正常な発達、つまずき防止に重点をおいた靴選びをしてください。立ち姿勢で足にフィットするものを選んでください。素材はやわらかく足になじむもの、底もかたすぎず靴底の前約3分の1あたりで曲がるものを選びます。デザインは柔らかい関節を保護するために、足首のくびれまで深さがあること、かかと部分も補強されたものがよいでしょう。サイズは靴を履いてかかとを合わせて、指先に7~10ミリ程度ゆとりがあるのが適当です。
また、親指が反り返る余裕も必要です
1歳から2歳にかけて歩き方がかわります。変化時期は子供によって違います。とことこ歩きになると運動量も増え、汗をかきやすくなるため通気性、吸湿性の良い素材をえらびます。デザインはきちんとフィットして脱げにくいものを選びます。サイズは靴にかかとを合わせて履き、つま先に7~10ミリのゆとりが理想。
2歳すぎには年長さんと同じように走っている姿も見られます。自意識も強くなり何でも自分でやってみたい時期ですから、靴も自分で着脱しやすいものが良いでしょう。靴がはけたら「じょうずに履けたね」
といって、ほめてあげてください。そしてちゃんと履けているかチェックしてあげましょう。また機能的な靴を選ぶのはもちろんですが、こまめに洗ってあげることも必要です。
3歳までは柔らかな足ですが4歳〜7歳の間に人間の基本的と考えられる動作はほとんどできるようになり、運動量が飛躍的に増え、足の骨も急速に発達します。土踏まずの形成は、3歳ごろからはじまります。運動量が激しいので靴が傷みやすくなり、足にも負担がかかってきます。かかとの痛み、足指の変形、皮膚炎、靴ズレなどのトラブルがでやすくなるので、注意してあげてください。靴の構造も激しい運動にも対応できるかかとやつま先が保護されたものを選んでください。また、4歳をすぎると汗をかきやすくなり、靴内の湿度が上がると、雑菌が繁殖しやすくなります。汗でムレた皮膚は傷つきやすいので、簡単に菌に感染、化膿してしまいます。素材は通気性のよいものが望ましく、また、前足部や後部に換気孔があいていたり、雑菌の繁殖を押さえた加工をした靴もありますので選ぶ時の参考にしてください。